ランチのアッコちゃん

ランチのアッコちゃん

 

スパーク文庫用に購入した一冊がすごく面白いです。

 

 

これ、5年ほど前にNHKでドラマ化されてたんですね、知りませんでした。

 

彼氏にフラれて落ち込む派遣社員の三智子に「私とランチを取り換えっこしない?」と上司の通称「アッコさん」が誘います。

 

社内でも一目置かれていて、三智子にとっては雲の上の存在であるアッコ部長には逆らえず、提案を飲むことに。

 

三智子は毎日お弁当を作ってアッコ部長に渡します。代わりに三智子は、アッコ部長の日頃のお決まりランチコースを月曜から金曜まで巡ることになるのでした・・・

 

毎日、アッコさんから指示される店や場所へ向かう度に、三智子は人との出会いや自分に知らない世界を体験することになり、それらを通していつの間にか殻を破って力強く成長していくのでした。

 

 

読んでいて、「あっ、これ面白いな!」と思ったのが、ルーティンと化しているアッコ部長のランチコースなんです。

 

普通は「今日のお昼は何を食べようかな?」なんてあれこれ考えるのが、世のサラリーマンやOLさんたちの楽しみなんじゃないですか?(私自身はそういう生活をしていないのでわかりませんが)

 

しかし、このアッコ部長は、曜日ごとにランチの場所をガッチリ決めているのです。毎週その繰り返し。

 

月曜日は「カレー専門店ビスマルク」

 

火曜日はワゴン車の屋台「ジェリーフィッシュ」でスムージー

 

・・・という感じで。

 

 

 

 

せっかくのランチをルーティン化して、何が面白いの!? 

 

と、一瞬考えてしまいますよね?

 

 

 

 

いやいや! それが違ったんですよ。

 

「ルーティン化することで、逆に人生が豊かになるのかもしれない」

 

そう感じさせられたのは新鮮な驚きでした。

 

 

 

私もどちらかというと「ルーティン」というのは

 

「毎回同じことの繰り返し」で

 

「自由がない」感じがして

 

ネガティヴなイメージしかありませんでした。

 

 

 

しかし、毎週同じ曜日に同じ行動をすることによって、アッコ部長の人生が豊かなものになっていることを三智子は知ることになるのです。

 

毎週同じ曜日に同じ店へ通い続ければ、店の御主人や常連客とも自然と顔見知りになります。すると、そこから発展していく何かがあるわけです。それは仕事関連かもしれないし、恋愛関係かもしれない。

 

私が感じたのは

 

どんなことにせよ、人間の幸福というのは「人」を介してもたらされるものなんだ

 

ということ。

 

 

そして、それはたまたま一度会っただけでどうにかなるものではなく、何度も何度も顔を合わせることによって生じるものなのではないでしょうか。

 

同じ場所、同じ人を定点観測することによって、初めて何かが見えてくるわけです。これは、同じ曜日に同じ子を指導する私の仕事にも通じるものがあるな・・・と感じました。

 

 

 

 

 

 

さらに言えば

 

取るべき行動が決まっていれば、いちいち迷う必要もない。時間の無駄がありませんね。

 

 

 

 

 

そして、ふと思ったのです。

 

そんな感じで「ルーティンの良さ」を痛感している人たちが、老若男女問わず、今の日本にはたくさんいるんだろうな・・・と。

 

 

「さあ、今日は何をして過ごそうか!」 初めのうちはこの言葉には嬉しい響きがありますけど、今はどうでしょうか。

 

「はあ・・・今日は何をして過ごそうか・・・」になってしまっているのではないでしょうか。

 

自由を与えられすぎると、かえって不自由になってしまうのが私たちですよね。

 

 

 

「学校があった時は、毎日が休みならいいのにって思ってたけど、そうじゃなかった」という子どもたちの声も聞こえてきます。

 

「ルーティン」とか「時間割」とか、意外と大切なものだったんですね。

 

 

 

「ランチのアッコちゃん」 スパーク文庫に入れておきます。子どもたちにもおススメです!

 

https://booklog.jp/users/sparkkobetsu

 

 

Twitter 木村弘一@スパーク

 

 

 

 

 

 

 

今日の一曲。

 

ある時から、スティーヴィー・ワンダーは「愛と平和の人」という感じになってしまって、私はすっかり興味をなくしてしまい、最近の作品はほとんど聴いていないのですが

 

1970年代は神がかり的に傑作アルバムを連発して、それこそプリンスやデヴィッド・ボウイのように時代の最先端をいく先鋭的な存在だったのです。もちろん後追いですが、70年代のスティーヴィー・ワンダーの作品はすべて手に入れ、未だに引っ張り出しては聴いています。全く古さを感じさせないですね。

 

 

名作「Talking Book」から、彼のアーティストとしての過激さがよく出ている「迷信」(Superstition)を。

 

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