ロバート・ツルッパゲとの対話

ロバート・ツルッパゲとの対話

 

ここ最近、ハマっていた本がこちら。

 

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この読後感を、なんと表現したらよいのか・・・

 

そもそも、こうした感想だの書評だのを書くような本ではないような気もします。初めから、そうした行為を拒絶しているような本・・・。

 

「キミは、その感想とやらを世の中に発信することによって、何を得たいのかな?」なんて、著者のワタナベアニさん、いや、ロバート・ツルッパゲ氏から嘲笑されそうな気がします。

 

実際、この本の感想を書くのは難しい。それは、何か役に立つ情報を教えようとしている本ではないからです。それどころか、一読すると何の役にも立ちそうにないことばかりが(よく読むと、全くそんなことはないのですが)エッセイ風に連なっています。

 

 

 

 

 

私は、読書という行為は「著者との対話」だと思っています。著者と対話しながら、自分の中にある思考を知ったり、自分がいかにこの世界のことを何も知らないか・・・ ということを知ったりする。すべて、著者との対話の中で起こること。

 

この本がまさにそれ。タイトルにもあるように、著者と言うか、ロバート・ツルッパゲ氏と本当に対話でもしているかのごとく展開していきます。そして、「哲学」というものが自分の中に存在していないことを痛感させられるのでした。

 

 

 

 

 

紹介したい文章はたくさんあるのですが、キリがないので一つだけ挙げておきます。

 

壊れて止まった時計は一日に2回だけ正確な時間と一致するが、狂った時計は一度も合うことがない、というよく知られた言葉があります。

これは、自分が正しいと思ったことをし続けていれば、そのときはズレているかもしれないけど、いつか他人の方が自分の世界に近づく日が来る。だから自分を貫いた方がいいですよ、いつも誰かを後ろから追いかけるのはいけませんよ、ってことです。

世界は現実でありフィクションでもあります。俺の世界という映画に登場するのは、俺が好きな役者だけで構わないと思っています。人生は上映時間が80年くらいの一本の映画です。世界の人口と同じ数だけあるほかの映画館では、別の映画が上映されている。その人と俺がかかわったことがあれば、どちらのスクリーンにも同じ日の場面でお互いが映っていることになります。

自分の映画にはたくさんの好きな俳優を登場させたい。自分も他人の映画に、できればエキストラじゃなく、愛される役で登場したい。全員が違うパラレルワールドに生きているというのはロマンティックに言えば、そういうことです。

 

(ワタナベアニ著 「ロバート・ツルッパゲとの対話」より抜粋)

 

 

 

 

 

 

そう、私たちそれぞれが、長い時間をかけて一本の映画を製作し続けてるようなものなんですよね。主役はもちろん自分自身。そして、さまざまな登場人物が現れては消えていく。山あり谷ありのストーリー、いや、むしろ「谷」の方が多いかもしれない。その逆境をどう克服して、ハッピーエンドで幕を降ろすか・・・ 

 

そうやって、自分で好きなようにストーリーを創って、好きなように演じればいいのかもしれない、あまり難しく考えずに。

 

 

 

 

・・・と、そこまで考えて、ふと思ったのです。

 

「それは、主人公目線じゃあ、無理だよね」

 

 

 

こういう人物を配置しよう

 

ここで、こういうハプニングを起こして主人公を追い込もう

 

そして、主人公である自分をこの局面でこう動かそう・・・ 

 

 

 

 

そんな風に、自分の人生という「作品」を客観的に観る立場の人間、つまり、映画監督が必要じゃないか、と。

 

人生という一本の作品を作るためには、自分の人生を客観的に観て采配を揮う、もう一人の自分が必要ということになります。「他人のように自分を観る」ってことです。

 

 

 

 

帯にあるワンフレーズ「君たちに足りないのは哲学だよ。知らんけど」の哲学というのは、もしかしたら「映画監督としての、もう一人の自分の存在」のことなのかも。

 

 

 

そんな風に、わかった風で得意げにロバート・ツルッパゲ氏に尋ねてみたい。「けっこういい線行ってるでしょ? この考え!」って。もちろん、正解なんてないってことぐらいはわかっていますけど。

 

 

 

そしたら、きっとこんな風に言われてお終いだろうな。

 

「それがキミの答えなら、それでいいんじゃないか、知らんけど」

 

 

 

 

 

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