ワルあがき

ワルあがき

 

ずっと読んでいた本「ワルあがき」について。

 

 

 

この手の「自伝的小説」というのを読むと、大抵の場合、生死の境を彷徨うような、あるいは、地獄の底へ突き落されて、そこから這い上がっていったような、常軌を逸した凄いエピソードが出てきます。

 

すごいな、と感じるのと同時に

 

 

「自分には無理だわ・・・」

 

とも思ってしまうというのも正直なところ。素晴らしいけど、それはこの人だからこそ乗り越えられた試練であって、同じことを自分も出来るとは到底思えない。

 

成功者の書いた本を書いて感じる違和感 というのは、つまりそういうことじゃないかと思います。

 

素晴らしいことが書いてあるのは認めるけど、同じような生き方は出来ないよ、と。そんな試練だの不幸だの大病だの災難だのなんて、経験したくないよ、と。どん底からの復活劇!なんて、出来れば経験したくないよ、と(笑)。

 

そう、多くの場合、「出来ない」「無理」って思っちゃうんですよ、著者と同じ生き方は!

 

 

ところが・・・

 

この北里洋平さんの自伝がそうした違和感なく読めるのはなぜなのか? なぜ、「この生き方、おもしろい!」って思えるのか? 読みながらずっと考えていました。そして、私なりの答えが出ました。

 

この人、わざわざ自分から困難に突っ込んでいってるからだ!

 

そう、しなくてもいい苦労ばかりなんですよ、この人がしてる苦労って。「ねえ、おバカさんなの!?」って突っ込みたくなるぐらい(失礼!)。

 

そんなこと、別にしなくていいよ!ってことのオンパレードです。

 

一部を抜粋してみると、ほら・・・

・ボクシング経験ゼロなのに、世界王者・徳山昌守に挑戦状を送り、対戦し、半殺しにされる

 

・子ども時代、家族で移住したチリにて、一番人気のプロサッカーチームに一人で挑戦状を渡すため、試合会場で屈強な警備員の立つ通路を正面突破、選手たちに直談判、夢の対決を実現させる

 

・中学2年生の時、友人と二人きりで「チロエ島」という伝説の島への旅を計画。当然、親に猛反対されるも、粘り強いプレゼンと、中学生とは思えないビジネス感覚で資金を作り、ついには親も応援してくれることに。しかし、旅先で早々に一文無しになり・・・

 

・初の自伝を奇跡的に出版させてもらうも売れず、「1ヶ月以内に増刷を決めてみせる」との約束を果たすために、自分で自分の本を買い漁る。早々に全財産を使い果たし、借金まですることに。

 

・・・等々、これ以上のネタバレはやめておきますが、まあ、普通そこまでしなくていいでしょ! というエピソードが次から次へと・・・。凄すぎます。

 

オビにもこんな文言が並びます(笑)。

 

 

例えば、今は何をするにもネットで事前に情報を収集して、損しないような選択をするのが私たちの行動パターンじゃないですか? レビューを確認して、ランチの店を選んだり、商品を買ったりします。損しないように、損しないように・・・という思考回路が出来上がっています。私だってそうです。

 

しかし、北里洋平さんという人には、それが初めからないのです。

 

 

 

自分の中でやりたいことが湧き上がる

あきらめようとする自分と、「いいからわがままを通せ!」と立ちはだかる本音の自分(本書では「キング」なる人物として、度々主人公の前に現れます)とがぶつかり合い

本音の自分が勝ち、手段を選ばず行動し続ける

 

 

こうして文字にするのは簡単なのですが、実際には想像を絶するような、とんでもなくハードな人生です。そして、非常識なことを次々と実現させています。

 

とても真似できない・・・と思う反面、「いやいや、同じ人間だよね? 出来ないって決めつける必要ないじゃん」と思える理由は

 

前述の通り、北里洋平さんという人が、一般的な成功者とは違い、ごく普通の人(元々は日立製作所のサラリーマンです)であり、普通の人が「しなくてもいい無謀な挑戦による苦労」をわざわざ背負いこむことで、唯一無二の最高に面白い人生を実現しているから だと思うのです。

 

「あっ、普通の人がこんな無茶なことしても、ちゃんと生きていけるんだ」って。

 

ここが世の中の誰もが知っている成功者たちの自伝との決定的な違いだと、私は感じました。

 

 

 

 

コロナによる自粛ムードの中、私たちの思考はどうしたって「あきらめる」方向へ流されがちです。だからこそ、この時期に本書が世に出された意味は大きいと思うのです。

 

 

 

自分の中の内なる神=キング の声に忠実に生きる

 

そのために、あきらめることをあきらめよ!

 

その先に、真の自由がある。ワルあがきしろ!

 

 

 

この時期に、この本、並びに北里洋平さんという人を知ることを出来たのは、私にとっても奇跡的な体験でした。

 

 

スパーク文庫に入れておきますので、ぜひ!

https://booklog.jp/users/sparkkobetsu

 

 

 

「ワルあがき」 今、すべての人たちに共通するパワー・ワードじゃないでしょうか。

 

Twitter 木村弘一@スパーク

 

 

 

 

 

 

 

今日の一曲。

 

先日、レディー・ガガが企画し、世界中のアーティストが自宅などからライブ演奏を提供したチャリティイベント「One World」が大きな話題となりました。

 

このブログでも、ストーンズの演奏を紹介しましたけど、今日はその One World からもう一曲。

 

 

 

ビリー・アイリッシュがソウルの古典的名曲「Sunny」をカバーしているのがとても魅力的だったので。

 

彼女の特徴である、ささやくような歌唱法と、今回の自宅などからの配信という企画が見事にマッチしていたし、そこに Sunny という曲の魅力が重なり、本イベントのハイライトの一つになっていたと思います。

 

何より、兄の弾くエレクトリック・ピアノだけをバックに歌う彼女の圧倒的なオーラ!

 

これでまだ18歳かよ! という驚きと末恐ろしさに支配されるのでした。

 

ボビー・ヘブの素晴らしいオリジナルもつけておきますので、ぜひ聴き比べてみて下さい。

 

 

こちらが文句なしの名曲である、ボビー・ヘブのオリジナル。