教室に着いて少ししたら、高3女子から大学合格の一報が入るという嬉しい一週間の始まりとなりました。
おめでとうございます! 私が指導してきたのは、英語の長文速読だけですから、本人の努力がすべてでしょう。良かったです!
さて、ずっと読んできた本
から、特に印象に残った場面を御紹介。
先日のブログにも書いた通り、多くの学びに満ちた素晴らしい小説です。
今日、御紹介したいのは・・・
後半、主人公の神崎由衣(重度の腰痛に苦しむ29歳女性)が、自宅でまた腰痛を発症してしまう場面です。それまで、「幸せの腰痛学校」のプログラムの成果で少しずつ良い方向へ進んでいた矢先、まさかの再発!という場面。
動けなくなった彼女は、そのプログラムの主催者である佐野先生に電話で助けを求めます。
すると、先生は「特別な治療法を教えるから、今から電車でこっちへ来なさい」と無謀なことを言うのでした!
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身体を起こすことさえできない。一歩も歩けない。さっきそう説明したはずなのに。そうか、私の説明が悪かったのかな? きっとちゃんと伝わっていなかったんだ。私はもう一度今の状態を伝え直した。
「さっきから何度も言っていますが、一歩も歩けないんですよ」
「う~ん。そしたら今、できることはなんですか?」
「はい?」
「神崎さん、今、なんだったらできそうですか?」
「なにもできません。まったく動けないんです」
(さっきからそう言っているでしょ?)
「そしたら、トイレに行きたくなったらどうするの?」
(トイレ? どうして今、そんな話?)
先生の意図を計りかねて黙っていると
「おしっこはどうしますってこと」
(お、おしっこって。先生そんな・・・)
「それはまあ、這ってでも行きますけど・・・」
「トイレには行けるんやね?」
「行けるというか・・・行くしかない、ですよね?」
「それはよかった。安心しました」
そうか、先生は私のトイレのことまで気にかけてくれてたんだ。そんなことまで心配してくれるなんて、なんていい先生だろう・・・そう思いかけた時
「トイレに行けるんやったら、玄関にも行けるよね?」なぜかうれしそうな声。
(え? 玄関に? ・・・いったい? なんのために?)
「トイレと玄関ってどのくらい離れているの?」
「はぁ・・・まあ五メートルくらいですかね」
「それやったら玄関にも行けそうやな」
「・・・?」
「玄関で靴を履きましょう」
「・・・だから、さっき靴を履こうとして痛くなったんです」
「それはさきほど伺いました。もう一度靴を履いてみましょう」
「できません」 私はイラっとした。
「ほんまに? やってもないのになんでできないってわかるの?」
(もしかして・・・先生は本気で私が電車に乗れると思っている?)
「まず、鎮痛薬。一時間くらいで効果が出るでしょう。動けるようになったら、玄関に行く、靴を履く、立ち上がる、玄関のドアに手を掛ける、ドアを開ける、左足を出す、右足を出す、そうやって目の前の次の行動だけを考えるんです」
(いや、仮に痛み止めが効いたとしても、無理に動いたらダメでしょ?)
「できません。無理に決まっています。外に出るなんて」
(先生、自分がなにをおっしゃっているのかわかってるんですか?)
「できないかどうか、どうしてわかるの?」 あくまで先生は冷静だ。
(中略)
もう一度言います。まずは薬。次に玄関に行くことだけを考えます。靴を履くことだけ。立ち上がる、玄関のドアノブを持つ、ドアを開ける、一歩踏み出す。こうやって目の前の一歩だけに集中するんです。その延長線上にうちのクリニックがあります」
(なにを言われても、できないものはできないって・・・)
「そのまま石のように固まって、あれこれ考えて脳を興奮させ続けますか? それとも考えるのはやめて目の前の一歩に集中しますか?」
(伊藤かよこ著 「人生を変える幸せの腰痛学校」より抜粋)
この後どうなるかは、ぜひ読んでいただくとして
・今、どんな状況に陥っていようと、実は出来ることがある
・目の前の一歩を積み重ねていくしかない
ってことだと思います。何かを前にして「出来ない」と簡単にあきらめてしまうのではなく、「出来そうな一歩」をまずは踏み出す。それが出来たら次の一歩をまた踏み出す。結局のところ、その積み重ねしかないし、実はそれだけで現実は大きく変わるのだと思います。
子どもたちの勉強なんて、まさにこれです。
多くの子が「出来ない」と思い込んでいます。
でも、本当にそうでしょうか?
本当に出来ることが何もないんですか?
一歩も踏み出さずに、あきらめるんですか?
それを子どもたちに問い続けるのが、私の仕事なのかもしれません。
他にも紹介したい内容満載の素晴らしい一冊! 腰痛があるとかないとか関係なく、多くの人に読んでほしいと思います。
「人生を変える幸せの腰痛学校」 激オシします!
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