よく「国語の文章問題が読めない」「数学の文章問題が苦手で」といった声を耳にします。
そういう子をたくさん見てきて、共通するものがあるのを感じています。
どの子もそうした問題に対する演習量が圧倒的に不足している、というのはあります。数をこなすことで、文章に対応できる思考回路がだんだん出来上がってくるわけで。
でも、それ以前の問題なんですよ、みんな。
量とか読み方とか、そんなことじゃないんです、全員に共通する問題点は。
何だと思いますか?
ものすごく乱暴な言い方をしてしまうと、こういう気概が欠けていることがすべての真因です。
↓
日本語で書いてあるんだから、わからないはずがない
ちょっと知らない語や表現が出てきたり、文が長かったりするだけで、よく読みもせずに「難しい」と決めつけてしまう。
ほぼ全員、このパターンです。
確かに、勉強は気合いだけではどうにもなりません。
でも、全員、日本語は読めるはずです。
にもかかわらず、みんな勝手に「読めない」「わからない」と決めつけてしまうのです。わからないはずがないんですよ、日本語ですから。
例えば、昨日の授業で、ある小6生の算数を教えていた時。
今「文字を用いた式」をやっているところで、こんな問題がありました。
↓
xcmのリボンを6人で等分した時、一人分の長さはycmになる。
これを式で表しなさい。
もちろん、x÷6=y と表せばよいわけですが
昨日の子は、この「÷」の部分を「×」にしていました。
皆さんはきっと「なんでそんな簡単なことがわからないの!?」と感じたと思いますが、まあ現実はそんなもんですよ。
何となく雰囲気でテキトーに解いているか
読む前から「文章題は難しい」と決めつけていて、冷静に読み取れない状態の脳になってしまうのでしょう。
x、yと入っていても、あくまで日本語の文です。落ち着いて読み取れば誰でも正解できます。
この子も解く前から「文章問題は難しいもの」という思い込みに支配されていました。
xcmのリボンを6人で「等分」したわけです。
「等分? 等しく分けたってことか」 と落ち着いて読み取って欲しいわけです。簡単な日本語ですよね。
「分けた」ってことは、割ったってことだから、記号は「÷」
と、一つ一つの言葉の意味を冷静に確実に読み取ればいいのです。
極論すると、日本語で書かれているものであれば、分解すれば一つ一つの語はすべて理解できるはずなんです。意味を知らない語については、調べて新たに覚えればいい。
日本語なんだから、読めないはずがないのです。
古典にしてもそう。同じ日本人が使っていた言葉。ならば解読できないはずがない。そんな気持ちで勉強していけば、必ず克服できます。
思い込みが大きく足を引っ張ります。
勝手に難しいものだと決めつけないこと。
大事なことなので、もう一度。
日本語で書かれているんだから、理解できないはずがない。
余計なテクニックの前に、まずは思い込みや前提を変えることです。そんな気概さえ持てば、どんなに難しそうな本も読めてしまうのですよ。
今日の一曲。
と、いうことで、簡単なものにばかり触れていないで、我々大人も恐れることなく、難解そうなものにどんどん体当たりしていきましょう。
人生の中の貴重な一日ですので。