正義の教室

正義の教室

 

ずっと読んでいた本「正義の教室」を読み終わりました。

 

 

 

 

先日のブログで、「中2ぐらいからなら読める」みたいなことを書いたのですが・・・ 

 

撤回します。

 

中学生だと、ちょっと難しいですね、これは。高校生なら十分読めるかな、中には大人でも少し難しく感じる人がいるかも・・・という印象。物語の設定そのものは、高校の生徒会なんですけどね。

 

また、ラストが衝撃的なので、中学生には刺激が強すぎるかも(笑)。

 

私は十分に楽しめましたが。

 

 

 

 

 

物語の中で、哲学の授業が進められていきます。「正義」とは何か? というテーマなんですけど、それには大きく分けて3つある、と。

 

・平等こそ正義という考え

・自由こそ正義という考え

・倫理こそ正義という考え

 

 

 

授業には、生徒会長の正義(まさよし)と、同じく生徒会の女子メンバー3人が参加しています。女子3人は、「平等」「自由」「倫理」それぞれを自らのポリシーとして強く持っている子たちなのですが・・・ 

 

その3人とも、講義を担当する先生とのやり取りによって論破され、撃沈していきます。その過程において、生徒会長の正義(まさよし)が、本当に善い生き方とは何か? に目覚めていく・・・という物語なのです。

 

物語としてはよく出来ていて、上記の三つの考え方もとてもわかりやすく学べます。そして、生徒会長が最後に辿り着いた「正義とは?」の答えは・・・

 

 

 

もちろん、「これが正しい生き方だ!」なんてものはないし、そんなのは人それぞれです。生き方に正解なんてないわけですから。

 

なので、結論として提示されるであろう「正義とは何か?」に対する答えは、読む前から何となく予想はついていたのですが、それでも考えさせられる部分の多い、見事な一冊だと思います。

 

 

 

 

 

物語の舞台である私立高校には、以前起きたある事件の影響により、校舎内のいたる所に「見守り君」という名の監視カメラ付き人形が設置されています。生徒たちの行動は、常に「見守り君」を通して、世の中にネット配信されているのです。

 

そうした環境に不満を感じ、見守り君の撤廃を唱える生徒たちの声を受けて、正義(まさよし)が生徒会長としての結論を演説するシーンを紹介しておきます。

 

 

どうすれば僕たちは、他者の視線に操られることなく、自由で幸福な人生を送ることができるのでしょうか?

 

それは考えてみれば当たり前のことで、『善く生きること』ー つまり、自分が『善い』と思った通りに生きることです。もちろん、ここで言う『善い』とは、『社会的に善い』ということではなく、『自分的に善い』ということです。『自分的』な価値基準で行動するわけですから、そこに他者の視線、他者の評価は関係ありません。いや、むしろ他者の視線や評価にかかわらず、自分がすべきだと思ったことこそが、『善いの定義』だとしてもいいでしょう。すなわち、このことはこう定式化できます。

 

『万人に見られていなかったとしても、もしくは見られていたとしても、それに関わりなく自分がやるべきだと思ったことが、自分にとっての善いことである』

 

だから、みなさん、自分自身に問いかけてみてください。

 

自分が何を善いと思う人間なのか?

 

何を正しいと思う人間なのか? 他者の視線がないときに、どう生きるべきだと思う人間なのか?

 

(中略)

 

見守り君なんて関係ない。

関係ないんです!

 

監視があろうと、見守り君がいようと、誰に見られていようとかまわない! 他者の視線に関わりなく、正しくありたいと願い、迷いながらも自分なりの『善い』を、『正義』を目指して生きて行く! そうやって生きることこそが、監視社会というこの巨大な刑務所から抜け出す方法であり 『僕たちが自由に幸福に生きていく唯一の方法』なのではないでしょうか!

 

(飲茶著 「正義の教室」より抜粋)

 

 

 

 

 

現代は、ネットやSNSの普及により、お互いがお互いを監視し合っているような社会です。

 

よくよく考えれば、スパーク個別指導学院という場だって同じ。このオープンスペースでの授業ですからね、お互いのことが「丸わかり」、意識しないわけにはいかないでしょう。これも監視し合っているようなものかも(笑)。

 

それは会社や学校だって同じことですよね?

 

 

だからこそ、私たちは誰が見ているとかいないとか関係なく、自分が善いと思ったこと、大事だと感じること、必要と感じることをやっていくことが大事なのだと思います。

 

 

 

 

スパーク文庫に入れておきます。読み応え十分。暑さの中、脳が刺激される一冊でした。

https://booklog.jp/users/sparkkobetsu