先日の「カンブリア宮殿」公立・麹町中学校の改革を観て、感じていることを書いてみます。
まず、工藤校長の理念。これは、とても納得できるもの。
「学校というのは、社会の縮図でなければならない。社会に出るための準備期間だから」
「学校に来て、世の中が嫌いになって、大人になりたくないというのであれば、そこでやっている教育はおかしい。それは変えなければならない」
全くその通りで、準備なしでいきなり社会へ放り出されて、多くの若者たちが戸惑い、心を病んだり、挫折したりといったことになるわけです。
学校の教育と現実の世の中とがあまりにもかけ離れている、というのが大きな問題。
学校教育も入試問題も「答え探し」であり、「正解は一つ」というのが基本線。ところが、世の中に出て働くようになれば、「正解なんてない」「自分でオリジナルの正解を創るしかない」ということに気付かされます。このブログでも、今までさんざん書いてきている通りです。
その意味で、工藤校長肝いりのイベントである、山梨県で行う「スキルアップ合宿」 これはなかなか興味深いものでした。
勉強合宿ではありません。
グループに分かれ、一つのテーマに向かってディスカッションしながら、「人と対話する」ということを徹底してやっていきます。
最後はグループごとに成果発表となるわけですが、そこに辿り着くまでに、気が合わないメンバーとも、とことん対話をすることになります。そこに大きな価値があるのだと、私は感じました。
工藤校長曰く
「仲良くないと何かを達成できないというのであれば、仲良くない人とは仕事ができない、ということになってしまう。心の中でうまくいかないなと思う人はたくさんいるけど、物事を達成するためには、そういう人たちとどう協力すればいいのかを覚えなければならない」
「こういう目的のために、こういう教育をやっています」というのが明瞭。
これなら、現場の先生たちからしても、進むべき道が明確になっていて、自信を持って日々の教員生活を送れるでしょうね。
それから、工藤校長がはっきりと言い切っていた「宿題なんて、何の役にも立たない」という意見にも、私は賛同です。
私自身のキャリアの中でも、同じ結論が出ています。前職の個別指導塾勤務時代も、前々職の大手集団塾勤務時代もまったく同じでした。当時、宿題は出してましたけど、あまり意味がなかった・・・というのが正直なところ。
言われたことだけやってればいい、という思考回路が定着し、その結果、言われたことしかやらない若者が職場でも増えていくのだと思います。
むしろ、宿題思考から脱却させていくのが本来の教育なのでは?
スパークでも、昔はこんなことやってました。
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効果があった一方で、いろんな不具合も出て、今ではやってませんけどね。ただ、こうして昔の自分のブログを読むと、根っこの考え方自体は、当時と変わっていないんだなってことがわかります。
・・・と、麹町中学校・工藤校長の改革を観て、いろいろ共感できることもあった一方で、「そこは賛同できません」という内容もありました。あと一回、麹町中学校ネタで書いてみます。